一葉忌
2010-11-23


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 今日は一葉忌である。学生を連れて一葉ゆかりの地を回った。一応授業の一環なのだが、祝日なのでみんなバイトで忙しいらしく4名の参加者である。寂しい数だが、逆に、少ない分だけてきぱきと動ける。

 まず、春日の菊坂にある伊勢屋質店に行く。一年で今日だけ中を公開している。けっこう人が並んでいた。なかに入ると、明治の質屋の雰囲気を感じることが出来る。質屋そのものは建て替えられているが、蔵は一葉が通った当時のままだそうてある。

 そこから歩いて10分ほどで当代の赤門前に出る。法真寺では一葉忌の法事が行われていて、ここもけっこうな賑わいである。まさに縁日である。朗読家の幸田弘子さんのサイン会が開かれていて、お顔を拝見することが出来た。学生には、あの人が「たけくらべ」を朗読しているご本人だと説明。授業で幸田さんのCDを聞かせているのである。

 本郷三丁目の大江戸線から上野御徒町駅へ、そこで日比谷線に乗り換えへ三ノ輪に出る。そこから10分ほどで一葉記念館。今日は入場無料である。午後1時から田中優子による講演会があったが、時間が合わず聞くことが出来なかった。残念がっていた学生もいた。

 そこから浅草に出て、お昼を食べようということになり、お好み焼きの店に入った。人数が少ないので、こういう時にすぐに食べ物屋に入れるのがいい。人の良さそうな下町の老夫婦がやっている古い小さな店で、もう歳で、腰を悪くしてしまって土日と祝日しかあけてないんだよ、と話しかける。これからどこへ行くんだい、というので、スカイツリーでも見て帰ろうと思っているというと、スカイツリーについていろいろと話をしてくれる。スカイツリーの記事が載っているタウン誌をくれた。これで浅草も元気になるねと語っていた。

 食べている最中に戸を開けて客が来たが、子どもがいたので、おばさんが子どもはだめだよ、と客を追い返した。この間子どもがやけどをしてね、それで子どもは入れないことにしたという。お好み焼きをこういう店で食べるのは実に久しぶりである。なかなかおいしかった。

 東武線で一つ目の業平橋で降りる。まさにそこはスカイツリーの真下である。何処でスカイツリーを見ても真上を見る感じなので首が痛くなる。私は二度目だが、学生達はけっこう感動していた。

 歩いて押上駅に出て半蔵門線で帰宅。朝10時半から3時までだったが、一日なかなか充実していた。学生がもっと参加していたらよかったのだが。これは反省点である。

 帰ってチビの散歩をして、夕方テレビを見たら、北朝鮮の砲撃のニュース。戦争でも起こったかのようにこのニュースばかりである。驚いたが、いつもの北朝鮮の挑発のようだ。北朝鮮もかなり追い詰められているようである。追い詰められていると言えば、菅政権も追い詰められている。自民党のいつもの挑発にあわてふためいている。

 思うのだが、今、日本は、頭と身体とがばらばらに思考している。国民もそうだし政治も経済もそうだ。頭ではこうしたいと思っているのに、身体は言うことを聞かない。勝手に動いてしまう。かつての自民党は頭(理想や理念のようなものと考えればよい)をつかわずに身体に身を任せるところがあった。頭では時々かなり保守的なことを言うが、結局、身体が欲する平和主義に身を任せてきた。これはこれでなかなかうまいやり方だったのだと思う。

 が、バブル崩壊以降、身体が弱ってしまって、身を任せられなくなってしまった。小泉首相は身体を強くしようと、かなり強引に鍛えようとしたが、リーマンショックで身体は悲鳴をあげて、倒れる寸前になり、身体にはやさしい民主党が頭を使う政治を掲げて、政権交代をした。が、身体は回復しないし、頭で考えるとおりに動いてくれない。


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